ユーザビリティおよびアクセシビリティの専門家は不必要にもそれぞれを分けて考え過ぎ、両方のエリアで不利益を生じさせてきた。ユーザビリティの専門家は、ユーザビリティに関する問題に取り組む際、しばしば通常の母集団の外にあるユーザカテゴリーは無視する傾向にある。身障者、あるいは加齢、病気、けがなどで部分的な機能障害を持つ人などは、しばしば標準ユーザビリティのプロトコルから外される。アクセシビリティの専門家は、一連のアクセシビリティ評価活動の中で、しばしばユーザビリティに関する問題点を明らかにするものの、その知識を活用して、ユーザビリティに良い変化をもたらすことはできていない。
実のところ、アクセスしやすく使いやすい製品やサービスを作り出す能力は、アクセシビリティとユーザビリティを合わせて考慮したときに高まる。アクセシビリティとユーザビリティの人為的な区分けは終わらせなければならない。先進国の人口は老齢化しており、そう遠くない将来、使いやすい製品を求める今日の消費者が、加齢により変化する身体機能に合わせた商品を求めるようになるだろう。アクセシビリティとユーザビリティの双方を考慮しないということは、その製品やサービスが失敗に終わることを意味すると言ってよいだろう。
今、将来の消費者のニーズに取り組むために必要な組織的変革を行う時期に来ている。ユーザビリティとアクセシビリティがどのように関連しているかを理解することで、ユーザビリティの専門家はさらに価値ある提案ができ、それぞれの場で持続的かつ肯定的な変化を起こす能力を高め、誰にとっても使いやすい製品作りに貢献することができる。
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