キーボードやマウス操作を使った業務用アプリケーションはどのようにしてタッチ操作用にデザインし直せばよいのだろうか。携帯機器、セルフサービスタイプのキオスク、レストランで使用されるアプリケーションなどは、タッチパネル利用分野におけるスターだ。しかしカスタマーサポート、小売店のレジやオフィス管理などに使用される重要な業務用アプリケーションではどうだろうか。タッチパネルで同じように成功を収めることができるだろうか。ヤコブ・ニールセン(Jakob Nielsen)は2009年の時点でそれには賛同しなかったようで、Forbes.comにおいて次のように述べている:
「(タッチスクリーンの)魅力は実にシンプルです。何か直観的で直接的なものがあり、マウスはそれに比べて少しだけ間接的なスタイルなわけです。タッチスクリーンはオプションがほとんどない、つまり小型のポータブル機器でたくさんのボタンを配置するスペースがないような用途に最適です。」
今日業務用アプリケーションには全てタッチ操作で使用できるものはほとんどないため、ニールセンの見解は正しいように見える。ユーザインタフェース(UI)のデザイナーとして小売り用のアプリケーションのベンダーに勤める私は、クライアントが店舗業務のためにユーザビリティの面で評価の高いタッチパネルの利点に関心を持っていることは知っている。我々は全てをタッチ操作で行うPOSアプリケーションですでに成功を収めている。
しかし、単にタッチ操作に切り替えることで自動的にユーザビリティの利点が得られるわけではない。UIは、タッチ操作のインタラクションを上手く活用するようにして特別にデザインされる必要がある。ただ単にキーボード操作ベースのアプリケーションをタッチパネルにしてUIのオブジェクトを拡大しただけでは上手く機能しない。では業務用アプリケーション、特にタッチ操作でインタラクションを行うタイプのデザインには何が必要とされるのだろうか。その質問に取り組んだのがこの記事である。
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